まさかの・・・!
2024年に観てよかった映画3作目です。
ネタバレあり!
SR サイタマノラッパー 2009
画像引用 https://moviewalker.jp/mv37831/gallery/2/
この映画は過去の名作を漁る的なノリで観たものではなく
配信サービスの邦画欄でパッと目に入り、
「なんか地元コメディ的な作品で面白そー(´・ω・`) 」
ぐらいの感じで観たのですが・・・
完 全 な 不意打ち!!
正直、観る前は良くも悪くもとっつきやすいコメディ映画と思ってただけに
これはマジのマジで胸に刺さるぞ!!と、
何か軽く構えていた観る前の自分に猛省をうながしてやりたい気分
2024年もいろいろ有名な映画を観たのですが、完全ノーマークなところから
超々個人的に、僕の2024年観てよかった映画1位に決定!
簡単なストーリーは・・・
ダメな青年が田舎でゆるーくラッパー活動している・・・!
という、観る前の僕がなんとなく思っていたコメディ要素多めの
映画であるということは遠からず当たっていました、中盤までは
しかし、コメディ一辺倒で映画が進むと思っていた僕に
この映画で身構えていなかったことが
映画の後半、残酷に青春の日々が終わり
そして映画のラストシーンでここから新たに何かが始ま・・・
といったところで映画は終了。
この後半からの展開
主人公のIKKU、そして相棒TOMのダメコンビに
割ときつめな人間関係のリアルを思い知らせます。
仲間内で一応、地元で俺たち仲良くやってんじゃん?的なあれが崩壊し
元々対等に見られてなかった、という大きな傷が残る形で
彼らの青春が終わりを迎えます。
そしてこの映画で大事な ラスト ラスト ラスト!
いろいろ失いましたが、地元で新しいスタートを切るため
居酒屋でアルバイトを始めたIKKU
そこに仕事終わりの作業員が居酒屋へ、なんとその客の中に相棒だったTOMが・・・
思わぬ再会に少しの間固まる二人
気を取り直してすぐに業務に戻るIKKU
二人ともそれぞれの道をいき、あの頃とはもう違って
お互い現実と向き合い始めた姿がそこにありました。
しかし、IKKUはそれでもラップだけは手離していませんでした。
仲間との日常を失い、現実を思い知り、そしてその現実と向き合い、
再会したTOMに向けて周りの目など気にせず魂のラップをぶつけます。
傍から見ればなにやってんだコイツ・・・状態ですが、
相棒だったTOMはこのラップをスルーせず、同じくラップで返していき
夢破れたTOMのラップに対し、まだ終わってないだろ!とラップに乗せて伝え
TOMにアンサーを求めるIKKU、そして最後二人が目を合わせたシーンで映画は終わり
SHO-GUNGの歌でエンディングへ・・・
このボロボロになった二人のラップでのやり取りは胸にきました。
そしてエンディングの歌も明るい曲なのになぜか切なさも感じます。
このラストシーン、
二人がまた夢に向かって走り出すのか、それとも何も始まらないのか、
この終わり方こそが、僕の2024年観てよかった映画1位に決定した理由です。
SRサイタマノラッパーは僕が邦画で一番好きで尊敬している映画
北野 武監督のキッズ・リターンのストーリー
そしてその終わり方に近いものを感じたからだと思います。
そのキッズ・リターンの主人公二人も同じくそれぞれの夢に向かって走り
IKKUとTOM以上に傷つき、全てを失い、そして再会します。
特にヤクザとして上り詰めようとしたマサルは腕に後遺症が残るケガを負わされ破門
その後生活に支障がありそうな様子で、仕事に就くのも厳しい状態
そんなマサルたちが映画のラスト↓のやりとりをします。
まーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?
バカヤロー、まだ始まっちゃいねーよ!
これです!
このマサルたちのセリフがSRサイタマノラッパーのラストと通じる何かを感じます!
まだ始まっちゃいねーよ、とは言うものの
マサルほどボロボロになってしまうと、正直終わった人間の強がりにしか見えません。
上手く説明できないのですが、
まだ始まってない=また何かを始めるってことではないと思います。
それに、もう終わっちゃたのかな?の回答として
まだ終わっちゃいねーよ、と言ってないので、
終わったことへの否定でも肯定でもないような気がします。
マサルたちにこの先何かが始まるのか、それともこのまま終わってしまうのか
僕的に二人のこの先は正直どちらでもいいのです。
終わった人間が先なんてないと自覚し、それでもなお強がってみせる
マサルのあの姿勢こそが何かに繋がるのではないかと
キッズ・リターンのあのラストで小さな希望を見い出すことができたのです。
そういう意味で、SRサイタマノラッパーのラストシーンも
キッズ・リターンのマサルたち程でないにしろ終わっちゃったIKKUとTOM
特に、IKKUのラップはマサルのまだ始まっちゃいねーよ!
に近い強がりが見えて、僕には輝いて見えました。
まさかキッズ・リターン級のラストを観れると思ってなかったので
僕にとってSRサイタマノラッパーは本当に大事な一作となりました。
SHO-GUNGの曲も明るく、ハマってあれから何度も聞いてます。
画像引用 https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37006NCN08
SHO-GUNG俺ら勝負中! 今はNEXT STAGE行く途中!
だから2巡目未だに準備中! 俺らSHO-GUNG! レペゼン!